Intel Alder Lakeは何が新しいのか?ゲーミングには向いているか?

 Intelの第12世代アーキテクチャである「Alder Lake」を採用したCPUが、2021年11月4日発売予定と言われている。様々な機能が搭載され、高い性能・省電力性が期待されている製品だ。

 PCIe5.0/DDR 5メモリに対応していることなど、注目ポイントは数多くあるが、これまでのチップと比べて本質的に違うのは、「Performance Core(P-core)」と「Efficient Core(E-core)」を組み合わせたアーキテクチャということだろう。

 今回はこれについて振り返りつつ、先日10/4にリリースされたAlder Lake Developer’s Guide[1]にPCゲームに向いているかと言った面白い情報が載っていたので、それをまとめていこうと思う。

参考URL:
[1] https://www.intel.com/content/www/us/en/developer/articles/guide/alder-lake-developer-guide.html

「P-Core」と「E-Core」について

 Alder Lakeのアーキテクチャでは、1つのCPUチップ内に高性能なコアである「Performance Core(P-core)」と省電力性の高いコアである「Efficient Core(E-core)」が搭載されている。

 実は「Snapdragon」などのモバイルデバイス用のチップでは既に採用されているアーキテクチャだ。モバイルデバイスでは省電力性が非常に重要であるため、性能が高いコアだけでなく、性能はやや落ちるが省電力性が高いコアも組み合わせて搭載しよう、という試みが早くから行われたという経緯である。

 こうした試みがデスクトップPCやノートPC向けにも適用され、今回Alder Lakeがこのハイブリッドアーキテクチャを採用した経緯だ。

筆者メモ

ゲーミングなどで高い性能が必要でありながら、同時に走らせている別の処理には高性能が必要ない、なんて状況が増えてきたというのが大きいでしょう

 Alder Lakeでは、P-coreには「Golden Cove」E-coreには「Gracemont」と呼ばれるマイクロアーキテクチャが採用されている。

 シングルスレッドの単純な性能差、搭載されている命令セットの差などもありながら、[1]ではキャッシュのシステムも大きく違うことが触れられている。興味がある人はぜひ見てみて欲しい。

 繰り返しになるが、Alder Lakeには高性能なコアと省電力なコアが搭載されている、というのが新しい点だと言える。

ハイブリッドアーキテクチャで重要なこと

 ハイブリッドアーキテクチャで重要なことは当然「優先度が高く、性能が必要なスレッドはP-core上で走らせ、そうでないスレッドはE-core上で走らせる」ということだ。

 このためにAlder Lakeでは新たに「Thread Director」という機能が搭載されている。実行される命令、温度、電力などの情報をCPUがOSに提供し、OSと協調することで、スレッドを適切なコアに割り振る、という機能だ。

 この機能は、OS側が「Thread Director」を使えるように拡張されていないと生かせないが、例えばWindowsでは、Windows 11からきっちり対応されているようだ。

筆者メモ

前述の通り、この辺りのOSとの協調はモバイルデバイス向けチップの方が先に検討が進んでいて、Armベースのプロセッサの方が少し進んでいますしかし、PC向けx86ベースのプロセッサでは全く新しいと言えます

ゲーミングでの性能はどうか?ゲーム用PCに向くか?

 まずゲーミングの性能に関するリークの情報だが、Digital Trendsがまとめているリークの情報がある。これによると、Alder Lakeの最高モデルとされている「Core i9-12900K」は、AMDの現行の最高性能CPU「Ryzen 9 5950X」を上回っているようだ。

 また、この試験において、GPUにはAMDのRadeonが使われていること、OSはWindows10であることなどを考えると、どちらかと言えば「Ryzen 9 5950X」に有利な環境での試験だ。出ている数値以上にAlder Lakeの方が優位だと考えていいだろう。

筆者メモ

とりあえず、現行のAMD Ryzenよりは間違いなくゲーミング性能が高いようですね

 基本的に最近のゲームは非常にうまくマルチスレッドで走ることが可能になっていて、ハイブリッドアーキテクチャを活かすことができるとIntelは主張している。(ただし、過度にスレッドを増やすようなコーディングをすることは推奨されていない)

 唯一、ハイブリッドアーキテクチャが仇となるのは、古いコーディングスタイルかつシングルスレッドで走ることがメインのゲームが、E-Core上で走ってしまうケースだと考えられる。

 しかし、ユーザはE-Coreでの処理実行を禁止することが可能であるため、あまり最適化されていないゲームでもマイナスを受けることはない。ハイブリッドアーキテクチャの旨味を活かすことはできないまでも、単に最新世代の性能のCPU上で走ることになるわけだ。

筆者メモ

かなり完成度の高いCPUになっていそうですね。DDR 5対応なども考えると、少なくともAMDが新世代CPUを出すまでは覇権を握れそうです