Google Pixelシリーズといえば、デザインや仕様が刷新されて今秋発売される「Pixel 6」「Pixel 6 pro」に注目が集まっている。
その一方で、折りたたみスマホである「Pixel Fold(仮称)」発売の噂も以前から出回っていた。更に、最近になってそうした噂の根拠となる情報も出ている。
そこで今回は「Pixel Fold」の噂についてまとめつつ、同製品が市場の中でどういう位置づけとなっていくのかを予想・検討していこうと思う。
2021年9月時点での情報です。また、公式発表は含まれません。
現時点でわかっていることについて
現時点で「Pixel Fold」が近々発売されると言われている根拠は大きく分けて2つだ。
開発情報から
まず、2021年8月時点で9to5Googleは、開発が進行中にあるAndroid端末が3つあると報じている。各コードネームは「Raven」「Oriole」「Passport」であり、そのいずれも2021年4Q(10-12月)に発売されると言われている。
うち2つ、「Raven」「Oriole」が「Pixel 6」「Pixel 6 pro」であるとされるため、年内にもう1つAndroidを搭載した端末が出そうだ、といった具合だ。これが「Pixel Fold」ではないか、という予想となる。
また、著名なリーカーも以下のようにツイートしている。
やはり、コードネーム「Passport」の端末は折りたたみPixelであり、これが2021年内の発売だと表現している。
ディスプレイの情報から
Appleの「iPhoneシリーズ」や、Googleの「Pixel 6」のようにチップレベルで独自のものを使用していても、端末すべてのパーツが内製で作られるというわけではない。その代表例がディスプレイだ。例えば、iPhoneのディスプレイの多くはSDC(Samsung Display)が製造している。
こうした状況のなか、DSCC(ディスプレイサプライチェーンコンサルタント)で上級職をつとめるDavid Naranjo氏が以下のようなツイートをしている。
このツイート自体は今後発売されるスマートフォンのうち、SDC(Samsung Display)が製造しているLTPO OLEDパネルをディスプレイに採用しているものを並べたものであるが、その中に「Google Pixel Fold Q4’21」とある。その他の端末はほとんどが発売済み、または発表済みであるため、信憑性は高そうだ。
ディスプレイ関連では他にもリーク的情報が出ているが、いずれもGoogle製の折りたたみスマホが「LTPO OLEDパネル」をが採用している、というものだ。
以上2つが主な根拠といえる。どちらの情報からも、「Pixel Fold」が2021年内に発売するということが予想できる。
その他情報
スペック
「いやいや、年内の発売って本当か…?」という人もいるだろう。実際SNS等を見ていると、「Pixel Watch」と同様に「出ればいいな」くらいの感覚の人が、国内外問わず多いように見受けられる。
その最も大きな理由が「スペックに関する情報が乏しすぎる」ということにある。デザインやディスプレイに関するリーク情報は出回っているものの、今のところチップセットやカメラに関する情報は出回っていない。
自社製「Tensor」を搭載するか否かといった、かなり根本的な部分でもリーク情報があるわけではなさそうだ。ただ、デザインとしてはいわゆる「ホットドッグ型」、横開きとなるレンダリング画像が出回っている。

10月発表、12月発売だったらありえるペースかもしれませんが、もう少し情報が出回っても良さそうなものです
市場での立ち位置予想
ここからは筆者の勝手な予想となるが、まず競合製品を考えていきたい。
競合製品の筆頭はやはり、2021年10月上旬発売のSamsung「Galaxy Z Fold 3」となるだろう。「Galaxy Z Fold」シリーズは折りたたみスマホとしての立ち位置を確立しつつあり、その違和感の少ないシームレスなディスプレイ、高い性能によって一部のファンから支持を得ている製品だ。
特徴として、値段が20万円を超えていることが挙げられる。スマホ好きというよりは「ガジェット好き」とか「スマホマニア」といったレベルの人が買うという印象がある。
一方で、Googleはスマホに限らず、狭い層をターゲットとした製品は発売しない。Google Nest、Pixel、Fitbit等、どれをとっても市場の王道を行っている。
そう考えると20万円を超えるような価格帯のモバイル端末は販売してこないだろう、と予想できる。例えば10万円台前半など、少々高額でもスマートフォンとして現実的に購入できそうな価格帯だと筆者は考えている。
また、もう1点性能に関することで言えば、そもそも「Pixel Fold」は「Pixel 5」に近い製品なのか、「Pixel 6」に近い製品なのか、という疑問がある。
「Pixel 5」に近い製品であれば「ミッドレンジ折りたたみスマホ」といった位置づけとなり、上述のような価格予想は妥当といえる。性能としても無難なものに落ち着くだろう。
一方で「Pixel 6」に近い製品であれば、そもそも「Pixel 6」が10万円を超えると予想されていることから、「Pixel Fold」は10万円台中盤から後半の製品になるだろう。この場合は性能はフラグシップ級となり、「Pixel 6」の別バージョンとして売り出されるような形になるはずだ。市場開拓というよりは、試金石的な立ち位置だろうか。

時期的に「Pixel 6」系統と思ってしまいますが、価格やデザイン性を考えると「Pixel 5」に近いモデルになることも考えられそうですね
まとめ
年内発売が噂されているだけあって、信憑性の高そうな情報が出てきている。
一方で、前例がないこと、折りたたみスマホ市場がまだまだ未開拓であることなどから、なかなかスペック・仕様の予測が立たない。
また、どんな製品になろうと「Pixel Fold」が発売されることで、折りたたみスマホがより一般的なものになっていく可能性はある。そうした点も含めて、今後の動向に期待が集まるといったところだろうか。

ただ、わざわざ「Pixel 6」と同時期に出して市場のインパクトを分散させてしまうような方策を取ってくるのかな?と思ってしまいます。年内発売というのは、個人的には疑問が残ります…
「Pixel 6」は10/19に正式発表されるなんて情報もあるので、「Pixel Fold」の噂が事実だとすると同時発表も十分ありえますが…。