M1Xチップ「Mac mini」が登場する噂!M1チップの歴史と今後を考察

要約すると
  • M1チップは「Armアーキテクチャ」であることが当時、疑問視されていた
  • しかし、性能・省電力性が圧倒的でソフトウェアのサポートも順調に整ってきている
  • これからはArmアーキテクチャの時代が来て、M1は覇権を握るかも?

M1X チップ搭載 Mac の噂

 Apple が今秋に出す製品には例年通り注目が集まっている。「iPhone 13」「Apple Watch 7」「Air Pods 3」など、ほとんど全ての製品が新作を期待されているだろう。

 しかし、やはりAppleユーザが最も注目しているのは昨年登場した「M1チップ搭載Mac」ではないだろうか。

 今回出てきた噂はMacRumorsによるものであり正式発表ではないが、M1系新チップ「M1X」を搭載した「Mac mini」が数か月以内に登場するようだ。また、こうした噂は数ヶ月前もリークとして出てきていた(参考:Digital Trends)。かなり期待できそうだ。

筆者メモ

Apple のリーク情報は、例年かなり的中する印象です

 M1 Macbookも同様に新チップ「M1X」を搭載して、今秋にも登場するかもしれない。 昨年まではIntel製のチップを搭載したMacも出ていたが、今後はM1系のみに絞られていく(昨年は2年かけて移行していくと発表していた)。

 この記事では、M1チップがこれまでどういう評価を受けていて、今後どうなっていくかを考察する

これまでの M1 チップ

発表前

 2020年の11月に発表されたM1チップだが、それ以前から「Armアーキテクチャ」のチップを開発しているとは明かされていた。

 リリース前は「Armアーキテクチャなんて開発者は使わない」という扱いだった。乱暴に言えば、「Armでは動かない」ソフトウェアが多かったからだ。CPUが使うことばが違うようなもので、x86系向けに開発された通常のソフトウェアが喋ることばを、ArmアーキテクチャのCPUでは理解ができないのである。

 そこでAppleは「Rosetta」という通訳を置くような形で対応するとしていたが、やはり開発者界隈からは、

一々、エミュレータ(Rosetta)なんか使いたくないよ!

仮想環境(VM)が動かないなんて論外だよ!

と、あまり期待されていなかった。

 一方で、フロントエンドエンジニアや日常ユーザからは「どんな製品になるんだろう?」という期待がよせられていたように感じる。

発表当時

 Appleはとにかくその性能をアピールしていた。「それまでのMacよりも値段は下がり、性能はぐんと上がり、省電力性も高い」という圧倒的な実力を示してきた。

 結果的に発売後には爆発的な人気を誇り、新型コロナウィルスの影響もあるとはいえ、「M1 Macbook」は納期に大幅な遅れが出るほどだった。筆者は2020年内には入手したが、まずその省電力性に圧倒された記憶がある。

 特にこだわりのない、あるいは開発者でないMacbookユーザはほとんどが購入したのではないか、と思ってしまうほどだった。

筆者のM1 Macbook Air。購入から8ヶ月が経過した

その後

 開発者は別に意固地になっていたわけではない。実際にArmアーキテクチャでは困る部分が多かったのも事実だろう。仮想環境(VM)の動作は保証されていないし、リリース当初はHomebrewというソフトウェアパッケージツールもM1対応していなかった。

 「VMも立てられない」「brewも使えない」と言われて「いやM1は凄いから使いたい!」とはなかなか思えなかっただろう。

 しかし、リリース半年で状況は大きく変わってきた。上記に挙げた例でいえば、3月にはM1対応のHomebrewがリリースされ、4月には仮想環境ベンダである「VMware」がM1対応を発表した。ソフトウェア側の M1 対応が想像以上に早かったのである。

 こうして約1年が経過した今では、開発者でもほとんどの人が「今後はM1 macでも大丈夫になっていくだろう」と思っているはずだ。万人に受け入れられる準備が整ってきた。

これならこれまで通り開発業務にも使えるかも…。

今後のM1チップ

 こうして受け入れられてきたM1チップだが、現時点でかなり覇権を握っている。そもそもIntelや AMD の CPU を搭載した PC で同じ省電力性・コストパフォーマンスの物はなかなかない。

 「ブランド力やインターフェース」のおかげもあったMacbookが、シンプルに実力で他を上回り始めたといえる。今後もユーザが増えていくことが期待される。

 これまで、Arm製のプロセッサの代表的な利用場所はモバイル端末だった。元々小規模回路に向く、非常に柔軟なCPUアーキテクチャなのは間違いがない。それを生かし、PCやサーバ向けのCPU開発はこれまでもあったが、x86系アーキテクチャの「標準力」が強すぎて上手くいかなかった。

筆者メモ

2015年前後にもAMDによるArmプロセッサ開発があったのですが、中止されていま

 しかし、M1 以外でも昨今注目されているのが「NVIDIAのCPUリリース」だ。NVIDIAが数年後にデータセンタ向け高性能CPU「Grace」 をリリースするが、これも「Armアーキテクチャ」となっている。

 AppleのM1、NVIDIAのGraceと、PCやサーバでも当然ArmアーキテクチャのCPUが使われている時代が来るかもしれない。もしそうだとするなら、x86アーキテクチャは徐々に影を潜め、「M1 チップは新時代の幕開けだった」と言われる日がくることになるだろう。