今回は「HP(ヒューレット・パッカード) シングルモニターアーム BT861AA」の開封・取り付けレビューを行っていきたいと思う。
この製品はモニターアームの定番中の定番「エルゴトロン LX デスクマウントモニターアーム」のOEM製品だ。OEMとは、他社ブランドの製品を委託製造することをさす。
つまり、今回で言えば「HPがエルゴトロンのモニターアームを委託製造した製品」といえる。よって製品自体はエルゴトロンとほぼ同等であり、価格は3,000円程度安い。
製品 | 購入時価格 |
---|---|
HP シングルモニターアーム | \10,781 |
エルゴトロン LX | \13,980 |
ただ、エルゴトロンは色・素材が「マットブラック」「ホワイト」「アルミニウム」と3つあるが、HPの方は「ジャックブラック」の1点だ。
開封と取り付け
早速梱包を開けていこう。

パーツ自体は少ないが、梱包はなかなかに厳重だった。段ボールにも「精密機器注意」といった文言が添えられていた。
中身を全部出してみると以下の通りだ。

デスクに取り付ける台座部分と、人の腕でいうところの上腕と前腕といった3つとなっている。パーツはごちゃごちゃしているが、実際に取り付けに使うものは少ない。
早速クランプによって台座を取り付けていく。

60mm以下の厚みであれば、設置可能なようだ。なお、台座の大きさは横16cm、奥行き11cm程度だった。「hp」のロゴもシンプルで目立たない。
次にモニターの取り付けだが、今回取り付けるモニターはこちらだ。

Acerのゲーミングディスプレイで、2万円台で23.8インチ、IPS、165Hz、0.5msというコスパの高いモニターである。ただ、少し高さが低いのと、傾きの融通が利かないのが惜しいところだ。

フルHD+IPSでディスプレイは綺麗ですし、FPSガチ勢でない限り、性能も文句なしです
さて、このモニターの足を外し、モニターアーム前腕の取り付けを行っていく。

筆者は突起を抑えるために、ドライバーで止める方のネジを使ったが、手で回せるノブ付きのネジも付属されていた。どちらを使ってもよいだろう。

全体を通じて、ドライバーなどの器具を自分で用意する必要はありませんでした。
これを取り付けた台座に差し込んで行く。

特別な器具を取り付ける必要はなく上からはめ込むだけだ。もちろん、外れてしまいそうな雰囲気は全くない。
以上で取り付けは終了だ。非常に簡単で、開封から10分~15分程度で終わった。

完全に折り畳んでいる状態でも、台座が小さく、スペースがすっきりして見える。

角度や場所含めてかなり自由自在に動かすことができる。少しの力で動くし、ピッタリと止まってくれるのでとても快適だ。
配線について
配線についてだが、まず上腕にあたる部分にはケーブルを格納する部分がある。

こちらはかなりスタイリッシュな印象なのだが、残念ながら前腕にはその機能はなく、付属の結束バンドで止める形になる。

これは色々なモニターに対応するための策なのだろう。結束バンドをかける部分もあるため、企業努力が不足しているわけではなさそうだ。
モニターの縦横を変える使い方をする場合、前腕までしっかりケーブルを固定してしまうと、ケーブル自体に強い負荷がかかってしまう、などのリスクに配慮しているのだろう。
注意点:壁際に設置したい方へ
モニターアームにはよくある問題として「机を壁際に置いても設置できるか」というものがある。
HPのモニターアームについては、机を完全に壁にくっつけた状態だと、以下のようになる。

ご覧の通り、13~14cmほどモニターが前に出てしまう。これ以上後ろにモニターを持っていきたい場合、机と壁の間にスペースを設ける必要がある。
そうでなくても、若干壁との間にスペースがあった方がモニターの可動域と融通がだいぶ利くようになるので、その方がモニターアームを活かせる。
一方で、多少の前後や上下、回転ができればよい、という方はそもそもの設置の際のクランプの位置を工夫すれば、壁際でも満足の行く位置にモニターを持ってこれるはずだ。

かなり自由が利く製品なので、「壁際だと無理なのかな?」「この位置には持ってこれるのかな?」といった心配は、基本的に解決できそうです。
全体的な印象
まず最も良い点は、モニター下のスペースが有効に使えることだろう。
筆者は基本的にディスプレイを目線近くまで上げていることもあり、下のスペースがどうしても無駄になってしまう。モニターアームの設置によって、その悩みが解決されるのは大きい。
また、今回の製品はかなり小さい力で動き、止めたいところでピタっと止まってくれる印象だ。体勢に合わせて気楽にモニターの位置を変えられるのは想像以上に快適といえる。

椅子をリクライニングさせながら作業をする、みたいなことが気楽にできるのが嬉しいポイントです。
黒を求めていたのでHPにしましたが、デスク環境によってはホワイトやアルミニウムはかなり映えそうですね